PMP更新のためには、資格取得から3年間に60PDUを稼ぐ必要があります。
PDU申請カテゴリに「読書(READ)」という項目があり、専門領域に関する本を読むことでもPDUを獲得できます。
以前は読書によるPDU取得には上限が設けられていましたが、2017年4月にこの条件が撤廃されました。
60PDUを、すべて読書で稼ぐことも可能になったわけです。
この記事では、実際に必要PDUのほとんどを読書で稼いだ私の実体験をベースに、読書でPDU申請する方法、監査対応の注意点、おすすめ書籍などについて詳しく解説していきます。
60PDU を読書で稼ぐには
60PDU=約60時間分の読書時間と考えます。
1冊あたりにかかる時間を6時間とした場合、10冊読めば計60時間=60PDUが稼げる計算となります。
3年間で10冊の読書。
そう考えるとさほど難しいことではありませんよね。3か月に1冊ペースで読んでいけば良いのですから。
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PDU(読書)の取得ルール
PDU申請カテゴリには教育分野とギブバック活動分野の2つがあり、読書による学習は前者の「教育分野」に該当します。
PMP更新の条件である60PDUのうち、教育分野で最低35 PDUを取得する必要があります。
また教育分野は3つの領域に分かれており、各領域で最低8PDUずつ取得する必要があります。
教育分野の必要PDU内訳
教育分野:35PDU以上
└Ways of Working(働き方)領域:8 PDU以上
└Power Skills(パワースキル)領域:8 PDU以上
└Business Acumen(ビジネス感覚)領域:8 PDU以上
つまり、60 PDUすべてを読書で取得する場合、計60時間分の読書を完了し、かつ3つの領域それぞれについて最低8時間ずつの読書が完了していることが更新の条件となります。
各教育領域の考え方
Ways of Working(働き方)
[技術分野の専門スキルであり PMI 資格毎に適用 <= 資格によっては不適用]
・アジャイルプラクティス
・データ収集とモデリング
・EVM(出来高管理手法)
・ガバナンス(プロジェクト、プログラム、ポートフォリオ)
・ライフサイクルマネジメント
(プロジェクト、プログラム、ポートフォリオ、プロダクト)
・パフォーマンスマネジメント(プロジェクト、プログラム、ポートフォリオ)
・要求マネジメントとトレーサビリティ
・スケジュールマネジメント
・スコープマネジメント
(プロジェクト、プログラム、ポートフォリオ、プロダクト)
・タイム、予算、コスト見積もり
Power Skills(パワースキル)
[ガイダンス能力や動機付け能力スキルで全ての PMI 認定資格に適用]
・ブレーンストーミング
・コーチングとメンタリング
・コンフリクトマネジメント
・EQ(心の知能 Emotional Intelligence)
・影響力
・対人能力
・聞く能力
・ネゴシエーション
・問題解決
・チームビルディング
Business Acumen(ビジネス感覚)
[ビジネス指向のスキルで全ての PMI 認定資格に適用]
・ベネフィットマネジメントと実現
・ビジネスマインドと感覚
・ビジネスモデルと構成
・競合分析
・お客さまとの関係と満足度
・業界知識と標準
・法令遵守
・市場の認知度と条件
・業務機能(例:ファイナンス、マーケティング)
・戦略計画、分析、整合
監査対応について
PMIでは、資格保有者のうち数パーセントをランダムで抽出し、PDU申請内容の正当性をチェックしています。
監査対象となった場合は、申請したPDUの証明資料の提出が求められます。
読書によるPDUの証明資料は「読書記録」になります。
それぞれの点について簡単に説明していきます。
読書記録をしっかり残しておく
運悪く監査対応になった場合に備えて、必ず読書記録をつけておくようにしましょう。
記録すべき項目は、Author、Title、PDU Category、StartDate、EndDate、URL、Description など。
読書記録用のExcelシートをNote記事の方で提供していますので、時短したい方は宜しければお使いください♪
読書記録シートでできること
- 読書記録シートの情報を埋めておけば、万一監査対象となった場合に読書証明資料としてそのまま使えます。
- 領域ごとの申請済みPDU数を自動集計できます。
- 要約を記載する欄があるので、書くことで理解が深まったり、後で内容を振り返ったりするのに役立ちます。
洋書(和訳)の定番書籍なら即時承認される
有名どころでは「7つの習慣」(スティーブン・R・コヴィー著)、「人を動かす」(デール・カーネギー著)などがPDU申請用書籍として使えます。
これらの定番書籍はすでにPMIの書籍リストに登録されているようで、申請とほぼ同時に承認メールが届きます。おそらく監査対象にはなりにくいのではないでしょうか。
【Audible聴き放題で読める♪】PDU申請(読書)に使える書籍10選でも定番洋書をいくつか紹介していますので、ご参考にしてみてくださいね。
和書ならDescriptionを追記して申請。Google翻訳を使えば簡単
和書の場合は、Description(説明)を追記するようにしましょう。
下記のポイントを簡単にまとめ、Google翻訳で英語に翻訳すればOKです。
説明のポイント
- この本から学べること ※Ways of Working、Power Skills、Business Acumenのいずれかに関わる内容を記載しましょう。
- どのようにプロジェクトマネジメントに役立てられるか
洋書の定番書籍のように即時承認とはいきませんが、平日であれば数時間以内に承認メールが届くことが多いです。
和書は監査対応になりやすいとの情報もありますが、たとえ監査対象に選ばれたとしても、読書記録をしっかり残しておけばそれを提出するだけなので、さほど慌てることもないのではないかと思っています。
(ちなみに私は読書の半分程度を和書で申請しましたが、監査対象にはなりませんでした。ちょっとドキドキしましたが...)
監査対応の準備さえ怠らなければ、定番洋書だけでなく、自分の興味のある本や、実務に役立ちそうな本を自由に選ぶことができます。読書による学習の幅がぐんと広がりますよね。
PDU(読書)の登録方法
PDU(読書)申請の大まかな流れ。
1. CCRシステム(CCRS)にアクセスし、ログインする。
2.「PDUs」メニューから「Report PDUs」を選択。
3. PDUカテゴリ一覧の中から「Read」を選択。
4. 申請内容を入力。
(1) Author:著者
(2) Title:タイトル
(3) Description (optional):本の説明。任意項目です。洋書の定番本であれば記入は不要です。和書の場合は、英語で下記の点を追記しておきましょう。
- この本から学べること(Ways of Working、Power Skills、Business Acumenのいずれかの領域に絡めて)
- どのようにプロジェクトマネジメントに役立てられられるか
(4)URL (optional):本の紹介サイトURLなど(任意)。Amazonで買える本ならAmazon購入ページでOK。
(5) Date Started:読み始めた日
(6) Date Completed:読み終わった日
(7) PDUs Claimed:申請するPDU数を領域ごとに設定します。
※Ways of Working2 + Power Skills3 のように、複数領域をMixして申請してもOK。
※各領域の詳細説明については「各領域の考え方」を参照してください。
(8) 「I agree this claim is accurate.」にチェックを入れる。
(9) 「Submit」ボタンを押して申請完了。
5. 申請と同時に、申請受理のメールが届きます。
⇒PMIにて申請内容を確認後、無事に承認されれば承認メールが届きます。定番書籍であれば即時。それ以外でも数時間~翌営業日には承認されます。
【Audible聴き放題で読める♪】PDU申請(読書)に使える書籍10選
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ここからは、Audible聴き放題で読めてPDU申請に使える書籍を10タイトルご紹介します!
※領域ごとの申請数の目安も記入していますが、領域の解釈や、読書にかかる時間は人によって異なりますので、あくまでも参考程度に使ってくださいね。
#1 |
Author: Franklin Covey Japan Co.,Ltd. フランクリン・コヴィー・ジャパン |
Title: The 7 Habits of Highly Effective People - Private Coaching#1~7 [1巻~7巻] 7つの習慣プライベートコーチ |
20年以上売れ続けている超ベストセラー「7つの習慣」を、それぞれの習慣ごとに7冊に分けて紹介しています。原著が未読の方はぜひオリジナルの方を一読して頂きたいですが、久しぶりに再読したい、原著が難しすぎor長すぎて挫折してしまったという方には読みやすい内容となっています。 |
Technical: |
Leadership: 9 |
Strategic: |
#2 |
Author: Dale Carnegie デール カーネギー |
Title: HOW TO WIN FRIENDS AND INFLUENCE PEOPLE デール・カーネギーの人を動かす方法 |
80年以上読み継がれている名著「人を動かす」のオーディオブック版です。対人関係を円滑にし、人生を豊かにするためのエッセンスが凝縮されています。巷には対人関係にまつわる自己啓発本が溢れていますが、言っていることの本質は大体同じで、そのすべてがこの本に書かれていると言っても過言ではなと思います。価値観や人生観をより良い方向へ変えてくれる素晴らしい1冊。 |
Technical: |
Leadership: 7 |
Strategic: |
#3 |
Author: Hanako Teruya 照屋華子 |
Title: Logical Communication Skill Training ロジカル・シンキング 論理的な思考と構成のスキル |
ロジカル・シンキングの基本が学べる良書です。ロジカル・シンキングの「基本の型」を初心者にも分かりやすく解説していて、20年以上前の本ですが、今でも十分に使える内容になっています。 |
Technical: 2 |
Leadership: |
Strategic: 3 |
#4 |
Author: Kazuto Ataka 安宅和人 |
Title: ISSUE DRIVEN イシューからはじめよ ― 知的生産の「シンプルな本質」 |
ロジカルシンキング・問題解決に関する本です。普段私たちは、今取り組んでいる問題が本当に意味のある事なのか?と問う事もせず、思考停止したまま、多くの無駄な時間を費やしているということに気づかされます。ただやみくもに問題を解決しようと奔走するのではなく、まず問題(イシュー)は何か?を熟慮する。そうすることで「やるべきことは100分の1になる」と本書では言っています。その具体的なステップが解説されており、プロジェクトの問題解決の際にも役立つ内容となっています。 |
Technical: 2 |
Leadership: |
Strategic: 3 |
#5 |
Author: AUDREY TANG オードリー・タン |
Title: THE FUTURE OF DIGITAL INNOVATION デジタルとAIの未来を語る |
著者は最近メディアでもよく見かける、台湾のデジタル担当政務委員オードリー・タン氏です。ここ10年間の暮らしを振り返っても、テクノロジーの進化はどんどん加速し続けています。日本でもコロナの影響により、リモートワークが進んだり、テクノロジーを使うことで人との接触が不要になるような新しいサービスのかたちが浸透するなど、たくさんの変化がありました。社会のデジタル化やAIによって、今後私たちの生活はどのように変わっていくのか。そんな疑問に答えてくれる1冊です。テクノロジーの変化に取り残されないよう、マインドをアップデートしていきましょう。 |
Technical: |
Leadership: |
Strategic: 5 |
#6 |
Author: Kouzi Yamazaki 山﨑 康司 |
Title: Introductory to Thinking and Writing Skills 入門 考える技術・書く技術 |
ロジカルに考え・相手に伝わりやすい文章を書く技術が学べます。ロジカルに書かれた文章は、理解しようと頑張らなくてもスッと頭に入ってくるような感覚があります。ロジカル・シンキングの技術を使って、構造化して書いているからなんですね。すぐに仕事のメールやレポートで使えるテクニックが紹介されており、実践しやすいのもお勧めのポイントです。 |
Technical: 4 |
Leadership: |
Strategic: |
#7 |
Author: Takahisa Takada 高田 貴久 |
Title: Logical Presentation ロジカル・プレゼンテーション――自分の考えを効果的に伝える戦略コンサルタントの「提案の技術」 |
外資コンサルや総合商社などの企業研修で圧倒的に支持され続けるロングセラー本。仕事でプレゼンの機会がある方は一読の価値あり。 |
Technical: 3 |
Leadership: |
Strategic: 2 |
#8 |
How to Think Like a General Manager--What it Takes to be a Professional Trusted by Top Management 参謀の思考法 トップに信頼されるプロフェッショナルの条件 |
Syoshi Arakawa 荒川 詔四 |
自身が参謀の立ち位置でなくとも、上司や顧客との関係の中で参考にできるビジネスマインドです。 |
Technical: |
Leadership: 4 |
Strategic: |
#9 |
Author: Ito Mamoru 伊藤 守 |
Title: Coaching Management--Creating High Performance in People and Organizations コーチング・マネジメント―人と組織のハイパフォーマンスをつくる |
日本におけるコーチングの第一人者である著者が、コーチングの基本から実践応用までの全体像を解説。コーチング入門書として長く読み続けられている本です。プロジェクト・ステークホルダーとの交渉や関係構築、プロジェクトチーム運営にも役立ちそう。 |
Technical: |
Leadership: 4 |
Strategic: |
#10 |
Author: Junya Ogino 荻野 淳也 |
Title: Mindfulness creates the best people and teams--Brain science x data from companies that have implemented it proves it! マインドフルネスが最高の人材とチームをつくる―脳科学×導入企業のデータが証明! |
私たちはつい無意識のうちに何かを思考し続けてしまいます。マインドフルネスを習慣にして、脳を静かにする時間を意識的に作りましょう。仕事の効率が上がったり、活力が湧いてくるなどの効果が感じられます。 |
Technical: |
Leadership: 4 |
Strategic: |
まとめ
読書によるPDU申請のポイントは以下の2つ。
読書によるPDU取得のポイント
- 読書なら時間と費用を節約しながらPMP更新ができる
- 本の内容は、
- Ways of Working、Power Skills、Business Acumenのいずれかの領域に関連している必要がある
- 監査対応と知識定着のために、読書記録はしっかり残しましょう
PMP資格更新を機会に様々な名著に出会えるのはとても貴重なことですね。
30日間無料体験つきのAudibleを活用して、スキマ時間にサクサクPDUを稼いでしまいましょう!
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私は遅読な方なので、1冊読むのに数週間はかかってしまうのですが、オーディオブックで耳読するようになってから、年間100冊読めるようになりました。本当にお勧めです!
補足
今回は詳しく紹介していませんが、定番書籍であれば、図書館で借りるものアリだと思います。
新しい本は半年~1年待ちなんてこともありますが、プロジェクトマネジメントに関する古典的な書籍であれば、比較的短い期間で順番が回ってきます。
最後まで読んで頂き有難うございました!
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