PMP受験申請のハードルの1つとよく言われるのが、プロジェクトマネジメント実務経験の申請です。
受験資格として認められる条件を満たした上で、経歴を英語で書き、申請しなければなりません。
この記事では、以下のようなお悩みを解決できます。情報の整理~Googleによる英文作成までの手順を、ステップごとに分かりやすく説明していきますので、英語が苦手な方でもスムーズに申請準備ができますよ♪
- 受験資格として求められる実務経験や申請手順を知りたい
- 忙しくて時間がない。効率的に準備したい
- 英語が苦手。英文サンプルを参考にしたい
情報整理に使えるExcelフォーマットや、実際に申請して監査をクリアした英文サンプルも提供していますので、申請を効率的に進めたい方はぜひ活用してみてくださいね!
プロジェクトマネジメント(PM)実務経験について
まずは求められるPM実務経験について確認していきましょう。
※2021年11月時点。
受験資格として求められるPM経験
学歴に応じた必要期間を満たしている必要があります。
学歴 | プロジェクトマネジメントの経験 |
中等教育卒業(高校卒業、準学士号または海外の同等資格) | 5 年/60 か月以上にわたる、一意かつ重複しないプロジェクトマネジメントの実務経験 |
または | |
4 年制大学卒業(学士号または海外の同等資格) | 3 年/36 か月以上にわたる、一意かつ重複しないプロジェクトマネジメントの実務経験 |
または | |
GAC 認定プログラム*による学士号取得または大学院卒業(学士号もしくは修士号、または海外の同等資格) | 2 年/24 か月以上にわたる、一意かつ重複しないプロジェクトマネジメントの実務経験 |
PMI:Project Management Professional(PMP)®試験内容の概要 – 2021 年 1 月より
申請可能なPM経験の条件
チェックリスト
- 申込時点から遡り8 年以内の経験であること。
- 一意(ユニーク)な経験であること。定期的に実施するルーティーンワークなどは認められない可能性あり。
- 重複していないこと。(下図「プロジェクト期間の考え方」を参照)
- プロジェクトのリードと指揮を含む経験であること。
OK:品質評価・改善のリード
NG:設計書作成
プロジェクト期間の考え方
◎プロジェクト期間のカウント結果
プロジェクトA(1月~ 4月)=4か月
プロジェクトB(3月~ 6月)=2か月 ※3月と4月はプロジェクトAと重なるためカウント不可
プロジェクトC(8月~12月)=5か月
合計=11か月
PM経験の申請項目を確認する
求められる経験を確認できたら、自身のPM経験を整理していきます。
以下が、申請項目の一覧です。ざっと内容を確認していきましょう。*は必須項目。
Project Title*(プロジェクト名)
- Project Title*(プロジェクト名)
Organization Information(組織情報)
- Organization*(組織名)
- Job Title*(役職、役割)
- Functional Reporting Area*(部署、所属)
- Organization Primary Focus*(業界、業種)
Project Information(プロジェクト情報)
- Approach/Methodology*(開発モデル)
- Project Team Size*(プロジェクトチームの規模)
- Project Budget*(予算規模)
- Project Dates* (開始月)
- Project Dates (終了月)
- In Progress(現在も継続中)
Project Description*(プロジェクトの説明)
Provide a high-level description that summarizes your experience and includes the project objective, outcome, your role in the project, and your responsibilities and deliverables. A typical response is between 200 to 500 words.
プロジェクトでの経験を200~500ワード程度で記載します。だいたい200ワード≒400文字となりますので、日本語で400~1000文字程度の内容を準備します。
また、説明には、以下の内容を含める必要があります。
- Objective:プロジェクトの目的(予算、期限、スコープなどを含む)
- Role:プロジェクトでの役割
- Responsibilities/Deliverables:責任と成果物(どのようなタスクを実行し、その結果どのような成果物を作成したか)
- Outcome:プロジェクトの結果
PM経験整理用Excelシート
PM経験整理用のExcelシートをNote記事の方で提供していますので、時短したい方は宜しければお使いください♪(記事価格300円)
PM経験整理シートでできること
- PMIサイトの申請フォーム(2021年11月時点)の項目に沿って情報を整理できます。
- プロジェクト経験期間の自動集計ができます。
PM実務経験を日本語で書く
まずはPM経験を日本語で書いていきましょう。
この記事では、日本語で書いた後に、Google翻訳で英訳することを前提として説明しています。経歴を書く際には、Googleが理解しやすい文章を意識してみてくださいね。
機械翻訳しやすい日本語を書くコツ
- 短文で書く
- 易しい言葉で書く
- 主語、目的語、係り受けを明確に書く
日本語にありがちな、主語や目的語が省略されている、主語と述語が離れすぎている文章は、機械にとっては分かりにくい文章です。ややクドいくらいで良いので、曖昧性の少ない文章を書くと翻訳の精度がアップしますよ。
PM実務経験をGoogle翻訳する
作成した日本語をGoogle翻訳にかけて英訳していきます。
ここでポイントとなるのは、「PMP申請用の英文は、英語ネイティブが書くような流暢な英語である必要はない」ということです。
PMPは、全世界で100万人以上の資格保有者がいますので、英語圏以外の国からの応募も多いはず。
申請受付をする側も、非ネイティブユーザからの申請書類を見慣れていますよね。英語がネイティブっぽくないことがマイナス要因になることはほぼないと考えて良いと思います。
英語があまり得意でない場合は、堂々とGoogle先生の力を借りましょう!
PMI申請フォームに登録する
PMIサイトにアクセスし、準備したPM経験情報を登録します。
【参考】英文サンプル
実際に私が申請して監査を通った英文サンプルを2つ載せていますので、ご参考にしてください。(ネット情報をそのままコピペすると、経歴自体の真偽を問われてしまう可能性がありますので、丸写しはやめましょう)
サンプル1
- Objective: Wiki translation from Japanese into English.
- Outcome: Completed on time without any problem.
- Role: Project manager
- Responsibilities: Management of the whole project.
-Held a kick-off meeting and agreed on the scope of the project and quality criteria.-Assessed and reported on the current processes to determine the scope of the improvement.-Held a briefing session for stakeholders.-Created a project plan.-Planned a sample translation project to create deliverables for standardization.-Motivated team members and business partners through communication to handle large amounts and short-term delivery projects.-Monitored and ensured that a defined quality assurance process is implemented.
-Held a meeting for project review.
サンプル2
- Objective: Documents translation from English into multi-languages.
- Role: Project Supervisor
- Outcome: Quality problems occurred after delivery and conducted a root cause analysis for future projects.
- Responsibilities: Project supervision and PM support
-Held a kick-off meeting and agreed on the scope, cost, schedule, quality criteria, etc.-Made an assessment on the existing manuals.-Agreed on the policy of manual renewal according to the assessment report.-Created a project plan.-Prepared translation style guide and glossary to ensure quality and consistency.-Held daily meetings to monitor and support the PM.-Conduct a root cause analysis on the quality problems that occurred after delivery.
繰り返しになりますが、流暢な英語である必要はありません。PM経験(プロジェクトにおいて、どのようなポジションで、どのような役割を果たしたか)が伝わることが重要です。
まとめ
PM経験申請の流れは掴めたでしょうか。プロジェクトの数が多い場合は大変骨が折れる作業になりますが、このハードルさえ乗り切れば、申請完了まであと一歩なので頑張っていきましょう!
ポイント
- 求められるPM経験と申請可能なPM経験の条件をCheck
- 英語が苦手な場合は、日本語で記入⇒Google翻訳が効率的
- 流暢な英語でなくてもOK
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