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【PMP資格】更新方法&費用を徹底解説!PDUの稼ぎ方10種類

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この記事では、PMP資格更新に必要な下記の情報をまとめています。

実体験ベースで解説していますので、この記事を読めば迷うことなく更新手続きが完了できますよ♪

この記事でわかること

  • PMP資格更新プログラム(CCR)について
  • PDUの稼ぎ方
  • 資格更新手続きについて
  • PMP更新にかかる費用の目安

 

先にPDU獲得方法を確認したい方は、下記リンクから飛んでくださいね。

 

PMP更新プログラム(CCR)について

CCR(Continuing Certification Requirements)プログラムとは、PMIが提供している、PMI資格ホルダー向けの資格更新プログラムです。

PMP資格は、3年に一度資格の更新手続きが必要です。

CCRプログラムでは、この3年間を1サイクルとして、サイクル期間内に60時間相当分の学習および専門職としての活動に従事することを求めています。

CCRプログラムの目的

  • 資格保有者の継続的な学習と職務能力開発を強化すること
  • 資格認定を受けた実務者の妥当性を確保するために、職務能力開発分野の方向性を提示すること
  • 個別学習の機会を奨励し評価すること
  • 専門能力開発活動を実施し記録する仕組みを提供すること
  • PMI 資格の世界的な認知と価値を維持すること

PMI資格ハンドブックより

 

PDU (Professional Development Units)について

PMPホルダーは、PMIが認める専門能力開発活動や学習活動に従事することにより、PDUと呼ばれる学習単位を獲得することができます。

※目安として1時間の研修受講=1PDUに相当

PMP資格を維持するためには、資格取得後3年間で60PDUを獲得することが求められます。

 

CCRプロセスの大まかな流れ

flow

 

PMP資格更新条件

前述の通り、資格更新のためには、合格日から3年間の間に60PDU以上獲得する必要があります。

PDUカテゴリには「教育分野」と「ギブバック活動分野」の2つがあり、それぞれのPDU取得条件は以下の通りです。

 

1. 教育分野

研修、eラーニング、読書等による学習時間に対してPDUを申請できます。

教育分野で少なくとも35 PDUを取得する必要があります。

教育分野はテクニカル、リーダーシップ、戦略・マネジメントの3領域に分かれており、各領域で最低8PDUずつ取得する必要があります。

教育分野の必要PDU内訳

教育分野:35PDU以上
└テクニカル領域:8 PDU以上
└リーダーシップ領域:8 PDU以上
└戦略&ビジネスマネジメント領域:8 PDU以上

※60 PDUをすべて教育分野で取得してもかまいません。

 

2. ギブバック活動分野

記事執筆、講演、PMIコミュニティでのボランティア活動など、専門分野の知識・経験を広めるギブバック活動に従事することでもPDUを獲得できます。

教育分野の必要PDU内訳

ギブバック領域:25 PDU以内
└専門職実務:8PDU以内

 

資格更新条件である60PDUの内訳を整理すると、下図のようになります。

PDU

 

PMP更新にかかる費用の目安

PMP更新にかかる費用は、どのようにPDUを取得するかによって、文字通り桁違いの差が出てきます。

また、PMI会員か非会員かによっても更新費用が異なってきますので、以下にサンプルケースを3つ記載してみました。

※為替レートUS$=\110として計算

ケース1 ケース2 ケース3
PMI会員 非会員 会員 非会員
PMI年会費 - ¥14,190
(US$129)
-
PDU取得 第三者プロバイダの研修に参加
¥100,000
ProjectManagement.comの動画視聴(英語版)
¥0
※PMI会員費に含まれる
PM実務
¥0
読書(図書館等を利用)
¥0
更新費用
(PMI会員)
- ¥6,600
(US$60)
-
更新費用
(PMI非会員)
¥16,500
(US$150)
- ¥16,500
(US$150)
合計 ¥115,500 ¥20,790 ¥16,500

 

本好きなら読書がお勧め

ちなみにケース3は私の実体験に基づいています。日頃から本は良く読む方なので、ほとんどのPDUを読書で稼ぎました。

元々利用していた図書館やオーディオブック、所有書籍を活用しましたので、PDU取得のために新たに費やした費用は0円です。

 

英語が得意ならProjectManagement.com

英語が得意であれば、ケース2一択かなと個人的には思います。

専門領域に関する海外の最新情報を入手できたり、各種テーマについて専門家がかなり深掘って解説していたりするので、内容的にも大変充実しています。

私もいくつか視聴してみましたが、ネイティブスピーカーの高速かつ専門用語だらけの英語が聞き取れず挫折。。

しっかり聴き取って理解できる方にはとてもお勧めの学習方法です。

 

PDU獲得方法10個を詳しく解説

前の章で読書やProjectManagement.comでのPDU獲得方法について少し触れましたが、PDU獲得方法は全部で10種類あります。

以下に解説を記載していますので、ご自身の好みやスタイルに合うものを探してみてくださいね。

なお、資格申請時と同様に、PDU申請に対してもPMIの監査制度が適用になります。もし監査対象になってしまった場合は、以下の「監査書類」に書かれている書類の提出が必要になりますので、研修の受講証明などは紛失しないように保管しておいてください!


参考: CCR ハンドブック2017年4 月3 日改訂版

 

教育分野

1. コースまたはトレーニング (Course or Training)

PMI、認定教育プロバイダ、その他の第三者機関により実施される講義形式の研修です。

対面もしくはオンラインの研修コースが、世界中のプロバイダーから数多く提供されています。

教育コースの例

  • PMI 登録教育プロバイダー(R.E.P.) が提供するトレーニングコース
  • PMI 支部が開催する教育イベント
  • PMI SeminarsWorld®での講師による対面教育コース
  • オンデマンド e-Learning コース
  • PMI Global Accreditation Center (GAC) が認定したプログラムによる学術教育
  • 他の第三者教育プロバイダーが実施するコース

 

PDU 規則:

  • 1 時間の受講= 1 PDU に相当します。
  • コースの一部のみが PMI のタレント・トライアングルの3つの領域に該当する場合、カリキュラム全体において、PDU取得対象が占める割合で獲得PDU数を計算します。
  • PDU申請の際は、学位プログラム全体ではなく、コース単位で申請する必要があります。

監査書類:

  • 受講申込書、受講証明書または受講を証明する文書

 

2. 組織のミーティング(Organization Meetings)

PMI、所属組織または第三者機関が提供する、プロジェクトマネジメントの教育に関わる会合です。

参加した時間を、1~2PDUを上限として申請することができます。

該当イベントの一例として、PMI日本支部で年1回開催している「PMI日本支部 新入会オリエンテーション」(参加無料)があります。

上記イベントは、もちろんですがPMI日本支部会員にならないと参加できません。

PDU 規則:

  •  通常 1 ~ 2PDU に限定される。

監査書類:

  • 参加申込書、参加証明書またはイベント参加を証明するその他の様式の文書

 

3. オンラインまたはデジタルメディア(Online or Digital Media)

自分のペースで学習できるオンデマンドのデジタル教材を指します。

ビデオやその他のデジタル教育コンテンツが数多くのプロバイダから提供されています。

各種の端末から、好きな時間に好きなだけアクセスできる教材が多いため、忙しい人でもスキマ時間で学習を継続しやすいと思います。

もし英語が得意であれば、PMIが運営しているPMコミュニティサイトでの学習がおすすめです。

お勧めプロバイダ(英語)

コンテンツは英語版になりますが、サイト上で数多くのウェビナーを提供しており、PMI会員であればウェビナーが聞き放題になります。

英語があまり得意ではないよ、という場合は下記プロバイダのeラーニングがお勧めです。

お勧めのポイントは、プロジェクトマネジメント分野を専門/メインに扱っており、選べる教材の種類が豊富であること。

1つで60PDU以上獲得できるセットもあれば、特定のトピックだけを扱う小ぶりなコースもあります。

セットコースで一気に学習するもよし、自分の興味のあるトピックを見つけながらじっくり学ぶのもよし。ご自身の好みや都合に合うものを見つけて、楽しく学習していきましょう。

PDU 規則:

  • 1時間の学習=1PDUに相当します。
  • 学習の内容は、PMI のタレント・トライアングルの3つの領域に関連するものである必要があります。特定の目的を達成し、知識の豊富なリソースを利用する必要があります。

監査書類:

  • 実施した学習活動の概要と実施日付を記載した学習記録

 

4. 読書(Read)

書籍、記事、その他の刊行物、ブログ等を読んだ時間をPDUとして申請できます。

PMIが定める下記の3つの教育領域に関連する内容であることが条件です。

3つの教育領域

  • テクニカル領域
  • リーダーシップ領域
  • 戦略&ビジネスマネジメント領域

読書によるPDU申請方法やお勧め書籍については、下記の記事で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。

 

PDU 規則:

  •  読書1時間=1PDUに相当します。

監査書類:

  • 読書記録(日付、書籍情報、要約など)

 

5. 非公式学習(Informal Learning)

勉強会や経験者とのディスカッションなど、非公式の学びの機会を指します。

PDU 規則:

  •  1時間の学習=1PDUに相当します。

監査書類:

  • 学習記録(日付、学習活動の概要など)

 

専門職へのギブバック活動分野

続いて、専門職へのギブバックによるPDU獲得方法5つを見ていきましょう。

6. 実務者として仕事をする(Work as a Practitioner)

PMP資格に関連する分野の仕事に従事した時間を、8PDUを上限として申請できます。

PDU 規則:

  • 上限 8 PDUまで
  • 1CCR サイクルごとに、1 回のみ申請可能。(例えば、4PDUを2回に分けて申請は不可)
  • このカテゴリでの PDU は、現在のサイクルのみに適用され、次サイクルへの持ち越しは不可

監査書類:

  • 雇用証明(職務記述書)

 

7. コンテンツ作成(Create Content)

書籍/ブログ/記事の執筆、ウェビナーやプレゼン資料の作成など。

自身の知識や見解をコンテンツとしてまとめ、PM実務者や広く一般の方と共有することでPDUを取得することができます。

アウトプットすることで自分の知識も深まるので一石二鳥ですね。

PDU 規則:

  • コンテンツ制作に費やした1時間=1PDUに相当します。

監査書類:

  • 出版物のコピー、教育資料のサンプル、コース・アジェンダなど

 

8. プレゼンテーションの実施(Give a Presentation)

PMP資格に関連する内容のプレゼンテーションの実施です。

PMI 支部主催のイベントでプレゼンを行うこともできますし、自社や第三者機関による機会でもかまいません。

監査対象となった場合はプレゼンテーションのコピーを提出する必要があるので、自社のプレゼン機会の場合は、秘密保持義務違反にならないかを事前に確認しておいた方が良さそうですね。

PDU 規則:

  • 1時間の発表=1PDUに相当します。

監査書類:

  • プレゼンテーションのコピー

 

9. 知識の共有(Share Knowledge)

他者へのメンタリング、指導、助言など。

監査時にはエビデンスの提出が必要になりますので、しっかり準備しておきましょう。

PDU 規則:

  • 知識共有に費やした1時間=1PDUに相当します。

監査書類:

  • コーチングやメンタリングを取り決めたことの証憑、ディスカッションやアクティビティの概要と実施日を記載した記録

 

10. ボランティア(Volunteer)

PMIまたはその他の非営利組織で、自身の専門分野に関わるボランティアをすることでPDUを申請できます。

参加証明書(またはその代替となる資料)が発行されることが条件となります。

PDU 規則:

  • 1時間のボランティア(報酬を得ない)活動=1PDUに相当します。

監査書類:

  • ボランティア活動に参加したことが証明できる書類(参加証明書)

 

【注意】PDU取得対象外となる場合

せっかく時間とお金をかけてPDUを取得しても、PMI規約で対象外とされているものについては、カウントされません。

事前に以下の注意点をしっかり押さえておきましょう。

PDU取得対象外となるもの

  • PMP資格を取得する前に参加した教育やアクティビティはPDU対象として申請できません。
  • 同一の教育コンテンツやアクティビティへの再参加はPDU対象として申請できません。

 

PDUの繰り越し

CCRサイクル内に60PDU以上を取得した場合は、次のサイクルにPDUの一部を繰り越すことができます

ただし、以下の条件があります。

PDU繰り越し条件

  • 繰り越せるのは、CCRサイクルの最終年に取得したPDUのみ
  • 繰り越し上限は20PDUまで。

 

PDU申請&承認

PDU申請や、PDU獲得状況の確認は、PMIのCCRシステム(CCRS)から行います。

PMI公式サイトログイン後のマイページからもCCRシステムにアクセス可能です。

 

PDU申請手順

1. CCRシステム(CCRS)にアクセスし、ログインする。

 

2.「PDUs」メニューから「Report PDUs」を選択。

01_ReportPDUs

 

3. 申請したいPDUカテゴリを選択。

02_Select_Category

 

4. 申請内容を入力。

前の画面で「Course or Training」を選択した場合の入力方法を説明していきます。

他の項目を選択した場合も、基本的な考え方は同じなので、参考にしてみてくださいね。

03_Course or Training

 

(1) Provider Name or ID:教育プロバイダの名前またはID

(2) Course Name or ID:コース名

(3) Description  (optional):コースの説明。任意項目です。マイナーな教育機関であったり、コース名から内容が判断しにくい場合は、詳細説明を追加しておいた方が良いでしょう

(4) Date Started:受講開始日

(5) Date Completed:修了日

 

03_Course or Training2

 

(6) URL (optional):コース紹介ページのURLなど(任意)

(7) Contact Person (optional):申請内容に不明点等があった場合の問い合わせ先担当者名を記入(任意)

(8) Contact Phone (optional):連絡先電話番号(任意)。急に電話がかかってきても対応しにくいと思いますので、連絡先を書くのであれば下のEmailにしておいた方が無難です。

(9) Contact Email (optional):連絡先Email(任意)

→(6)~(9)は任意項目ですので、基本書かなくても大丈夫です。

(10) PDUs Claimed

領域ごとの申請PDU数を指定します。研修コース説明に領域ごとに獲得できるPDUが記載されている場合は、その通りに申請します。

とくに記載がない場合は、コース内容の目次などを確認し、自分で割り振りましょう。

  • Technical (テクニカル・プロジェクトマネジメント)
    プロジェクトマネジメント、プログラムマネジメント、ポートフォリオマネジメンに関連する内容
  • Leadership (リーダーシップ)
    文字通り、リーダーシップに関連する内容
  • Strategic(ストラテジック&ビジネスマネジメント)
    業界や組織のビジネス戦略に関連する内容

(11) 「I agree this claim is accurate.」にチェックを入れる。

(12) 「Submit」ボタンを押して申請完了。

⇒申請後すぐにPMIから申請受理メールが届きます。

 

5. 申請内容が承認されたかどうかの結果メールが、即時~数日程度で届きます。

※PMI側で既知の教育研修として登録されているものは、即時承認されるようです。

 

更新手続&更新料支払い

必要条件の60PDUをクリアしたら、PMIから更新手続きについてのメールが届きます。

メールの指示に従って、更新費用を支払いましょう。

資格更新費用

  • PMI会員 US$60
  • 非会員 US$150

補足事項

  • 60PDUを獲得したら、CCRサイクルのどの時点でも費用を支払い、更新プロセスを完了することができます。
  • サイクル終了後は、終了日から90日以内に支払う必要があります。
  • 資格更新手続き完了後、新しいCCRサイクル期間が記載された資格証書がPMIから郵送で届きます。到着まで6週間~8週間程度かかります。

 

PMI監査プロセス

PMIでは、資格保有者のうち数パーセントをランダムで抽出し、PDU申請内容の正当性をチェックしています。

監査対象となった場合は、申請したPDUの証明資料の提出が求められます。

そのため、CCRサイクル終了後も18か月間は、申請したすべてのPDUの証明資料を保管しておく必要があります。

PMIに指示されたすべての資料を提出し、監査を通過した後にのみ、資格を更新することができます。

 

期限までに更新条件の60PDUを満たせなかった場合

期間内に60PDUを獲得できなかった場合、資格ステータスがSuspended(資格停止)に変更になります。

停止期間は1年間(12か月)です。停止期間中は資格保有者を名乗ることはできません。

1年間の停止期間内に必要なPDUを取得・更新手続きを完了すると、資格ステータスがActive(有効)に変更になります。

注意

  • Suspended(資格停止)期間中も、次のCCRサイクル期間(3年間)は始まっています。
  • 1サイクル目が終わった時点から3年以内に、新たな60PDUを獲得する必要があります。

 

まとめ

ここまでPDUの稼ぎ方10種類を解説してきましたが、自分に合う方法は見つかったでしょうか。

PMP更新はお金がかかると思っている方が多いですが、工夫することで費用はかなり抑えられます。

ポイント

読書、専門職実務、プレゼン、コンテンツ作成など、普段やっていることでPDU申請できれば効率的ですね。

日頃からコツコツ稼いでいきましょう♪

 

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まりね

子育てしながらIT企業でプロジェクトマネジメントに関わる仕事をしています。こちらのサイトでは、PMP資格に関する情報を載せています。 仕事・家事のスキマ時間を活用して色々調べたりやったりするのが好きなので、とくに忙しく時間がない方向けに、なんらかお役に立つ情報を書いていけたらと思っています。

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