PMP合格のために必要な勉強時間はおおよそ100時間と言われています。
前提知識やプロジェクトマネジメント経験の長さにより必要な勉強時間は変わってきます。
50時間の学習で合格する人もいれば、300時間以上学習しても合格できない人もいますので、「100時間」はあくまでも目安として考えておきましょう。
この記事では、効率よくPMPに合格するための学習方法を、誰でも実践しやすいよう3ステップで紹介しています。
「効果的な学習方法」、「試験のポイントやコツ」を把握して、短期間の合格を目指しましょう!
ちなみに、1回目受験で不合格となった場合もどうかがっかりしないでください。
筆者は1回目受験で落ち、再受験しましたが、実質4か月程度でPMPに合格することができました。
本記事では、基本の学習フローに加えて、「時短重視型」と「費用節約型」のアレンジや、不合格の場合の再受験対応についても詳しく解説していきます。
STEP1~2
↓↓おすすめ教材はこちら↓↓
参考書 | |
タイトル | PM教科書 PMP完全攻略テキスト PMBOKガイド第7版対応 |
著者 | 鈴木 安而 (著), PMアソシエイツ株式会社 (著), 株式会社NTTデータユニバーシティ (監修) |
コメント | 2022年8月時点で唯一のPMBOKガイド第7版対応の参考書となっています。定価4,180円 |
問題集 | |
タイトル | 【Udemy】「PMP®認定試験」で一発合格を目指す! 試験攻略のための実践問題演習コース 全100問 (2020) |
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著者 | CLUTCH Management |
コメント | Udemyのオンライン演習コース。本番の半分である100問を収録。模擬試験代わりに問題演習をこなしたい方にもおすすめです。定価3,060円
↓上記コースはアジャイルをカバーしていないため、追加で下記コースを受講しておけば万全です。 |
PMBOKガイド第7版日本語版 | |
タイトル | PMBOKガイド第7版日本語版+プロジェクトマネジメント標準 Kindle版 |
著者 | 一般社団法人 PMI日本支部 |
コメント | プロジェクトマネジメントの知識を体系的にまとめたガイドブック。非PMI会員の場合、定価11,990円 より深掘りして学びたい方は購入をお勧めします。 |
それでは、学習の3ステップについて詳しく説明していきます。
学習の3ステップ
学習の3ステップは以下の通り。
- STEP1:知識のインプット
- STEP2:習熟度評価
- STEP3:受験&結果分析
STEP1:知識のインプット
まずはPMP資格の学習領域について、知識をインプットしていきます。
効率よくインプットするために、反復学習と記憶の定着について基本を理解し、上手く活用しましょう。
参考:記憶の定着について
中~長期記憶の定着については、ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスによる「忘却曲線」が大変参考になります。
ここで細かな説明は省きますが、忘れた記憶を取り戻すのにかかる時間は、反復学習を繰り返すごとに短くなっていき、長期記憶として定着しやすくなることが実験の結果から明らかになっています。
そのため、基礎学習コンテンツとしては、自分のペースで繰り返し学べる書籍や動画コンテンツなどがおすすめです。
おすすめ教材
まず、学習範囲の知識を習得するための参考書と、理解度・定着度を測るための問題集を準備しましょう。
実際にPMPを取得した筆者がおすすめする教材を以下にご紹介しています。
参考書 | |
タイトル | PM教科書 PMP完全攻略テキスト PMBOKガイド第7版対応 |
著者 | 鈴木 安而 (著), PMアソシエイツ株式会社 (著), 株式会社NTTデータユニバーシティ (監修) |
コメント | まずはPMBOKの内容がコンパクトにまとまっている参考書で学習し、全体像を把握すると良いでしょう。上記は、2022年8月時点で唯一のPMBOKガイド第7版対応の参考書となっています。定価4,180円 |
問題集 | |
タイトル | 【Udemy】「PMP®認定試験」で一発合格を目指す! 試験攻略のための実践問題演習コース 全100問 (2020) |
↓コース検索はこちらから。人気のオンラインコースが最大85%OFF |
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著者 | CLUTCH Management |
コメント | 参考書を使って学習したら、次は理解度・定着度を測るために問題集に取り組みましょう。Udemyの実践問題演習コースなら、本番の半分である100問を収録。模擬試験代わりに問題演習をこなしたい方にもおすすめです。定価3,060円
↓上記コースはアジャイルをカバーしていないため、追加で下記コースを受講しておけば万全です。 |
PMBOKガイド第7版日本語版 | |
タイトル | PMBOKガイド第7版日本語版+プロジェクトマネジメント標準 Kindle版 |
著者 | 一般社団法人 PMI日本支部 |
コメント | プロジェクトマネジメントの知識を体系的にまとめたガイドブック。定価11,990円 各領域をさらに掘り下げて読み込みたいならPMBOKの購入も検討してみてください。かなりボリューミーなのですが、Kindle版なら検索性も良く読みやすいのではないかと思います。 |
STEP2:習熟度評価
使用する教材と問題集が決まったら、下記の流れで学習を進めていきます。
1周目:まずは教材に一通り目を通します。この時点では、すべてを理解・記憶しようとしなくても大丈夫です。
2周目:学習2周目と並行して、問題集を使って「習熟度評価」を行います。
習熟度評価の方法と基準については次項で説明しています。個人差はありますが、2~3周目で合格ラインに乗ってくる感覚が掴めてくると思います。そうしたら受験予約を検討するタイミングです。
習熟度評価の方法
通常の学習を終えた後、問題集からランダムで5問選んで解答します。(当日の学習領域だけでなく、全領域からランダムで5問選びます)。
正答率を確認。間違えた問題は解説を読んで理解します。
これを学習ごとに毎回繰り返していきます。
合格ラインに達したかどうかの判断目安
PMPの合格ラインは60%。
単純に考えて、各領域の練習問題をランダムで解き、5問中3問正解できるようになったら、合格ラインに乗ったと考えられます。
ただ合格ラインぎりぎりでは少し不安ですよね。
なのでバッファも見込んで、5問中4問正解が数日続いたら受験予約に進むというのが良いと思います。
下記の例を参考にして、ご自身の受験タイミングを判断してみてくださいね。
時短重視型の判断例
5問中4問正解が3日間続いた場合
これでもし一発合格できたらラッキーです。
万一不合格の場合でも、受験後にPMIから試験結果の分析レポートがもらえるので、それを参考にして弱点に絞った学習を効率的に行い、短期間で資格取得を目指したい方向けの指標です。
費用節約型の判断例
5問中4問正解が7日間続いた場合
再受験の費用を支払うよりも、じっくり学習して確実に一発合格を目指したい方向けの指標です。
ここで大切なポイントは、すべての領域からランダムに5問をピックアップすることです。領域が偏っていると判定精度が落ちますのでご注意ください。
STEP3:受験
合格基準に達したと思ったら、会場予約を行い、受験します。
受験の流れについては、PMI日本支部サイトに基本情報がありますので、そちらを参考にしてください。
また、PMI会員になると受験料が割引になりお得なので、受験費用を支払う前に、PMI会員登録を済ませましょう!
参考:PMI会員vs非会員 費用比較
1回目で合格の場合 | ||
PMI会員 | 非会員 | |
初年度年会費 | $139 | $0 |
PMP受験料(1回目) | $405 | $555 |
合計 | $544 | $555 |
2回目で合格の場合 | ||
PMI会員 | 非会員 | |
初年度年会費 | $139 | $0 |
PMP受験料(1回目) | $405 | $555 |
PMP受験料(2回目) | $275 | $375 |
合計 | $819 | $930 |
その他のPMI会員特典
受験料の割引に加えて、下記のような特典があります。結論、「PMI会員になった方がお得」です!
- PMBOKガイド(PDF版)ダウンロード
- PMP更新要件となるPDU付きe-learning(英語版)が見放題
- PMIが提供する1000点以上のツール、テンプレートが使い放題
注意:PMI会員自動更新機能について
PMI会員は、初期値で1年ごとに自動更新される設定になっています。更新費は129ドル。
更新を希望しない場合orまだ更新するかどうかを決めていない場合は、必ず自動更新設定をOFFに変更しておきましょう。
PMIにログイン>myPMI>Dashboard>Menbership Automatic Renewal>TURN OFF ボタンをクリック
万一不合格になった場合の追加3ステップ
PMP試験の合否は、試験終了と同時に、PC画面に表示されます。
最後の完了ボタンをクリックする際はドキドキですね!
残念ながら不合格だった場合は、以下のステップ4~6を追加で実施します。
STEP4:結果分析
後日PMIからExam Analysis(試験結果の分析レポート)がメールで送られてきますので、必ずレポートの内容を確認して、再受験に向けての戦略を練りましょう。
私自身、1回目で落ちて、2週間後の再受験で合格しています。
恥を忍んで実際のレポートを公開しますのでご参考にしてください。
1回目(不合格)
2回目(合格)
1回目は文字通りあと1点のところで不合格でしたが、2週間後の再受験で余裕で合格できました。
この2週間でやったことは、参考書で苦手領域を再読。これだけです。
苦手領域の特定方法
試験結果レポートには、領域ごとの達成度が詳細に示されています。
下図は不合格時のInitiating(=立ち上げフェーズ)の結果レポートです。「Low」の部分に青いバーが表示されている項目が苦手領域になります。
また、「Task 1~8」はプロマネが果たすべきタスクの種類を表しています。
- タスク1:コンフリクトを管理する
- タスク2:チームをリードする
- タスク3:チームのパフォーマンスをサポートする
- タスク4:チーム・メンバーとステークホルダーに権限を与える
- タスク5:チーム・メンバー/ステークホルダーを適切にトレーニングする
- タスク6:チームを形成する
- タスク7:チームにとっての障害や障壁、阻害要因に対処して、除去する
- タスク8:プロジェクトの合意に向けて交渉する
- タスク9:ステークホルダーと協力する
- タスク10:共通理解を構築する
- タスク11:バーチャル・チームを関与させてサポートする
- タスク12:チームの行動規範を定義する
- タスク13:関係するステークホルダーにメンタリングを行う
- タスク14:感情的知性の適用を通してチームのパフォーマンスを向上させる
※Task定義はPMP Examination Content Outline (PMI)に詳細が記載されていますので参考にしてください。
STEP5:苦手領域の強化学習
分析レポートを確認することで、参考書のどこを再読すれば良いかが特定できます。
ポイントを押さえて強化学習を進めていきましょう。
やみくもに全体を勉強し続けるよりも効率的ですよね。これが、私が不合格も覚悟の上で早めの1回目受験をお勧めする理由です。
ちなみに再受験の時期については、不合格から1か月以内の方が合格率が高まると言われています。
現スコアと合格ラインにかなり幅がある場合には、もう少し長めに学習期間を設定してみてください。
STEP6:再受験
受験要領は1回目と同じです。
スコアを格段にUPするコツ!!
結論から言うと、スコアアップのためにはPMIイズムを理解することがかなり重要です。
「PMIイズム」とは
PMIが考える「PMのあるべき姿」のことです。世界的に支持されているPMP参考書『PMP Exam Prep』の著者Rita Mulcahy 氏が造った用語と言われています。
PMP試験では、このPMIイズムの考えに沿って回答しなければ正解と認められません(たとえ現実的ではなかったとしても)。
ごく一部ですが、試験に良く出てくるPMIイズムの例を以下に挙げます。
試験に良く出るPMIイズムの例
- プロジェクトマネージャーは、問題を特定し、競合を解決し、状況の改善のために積極的に取り組む。競合は自ら直接対処する。
- プロジェクトマネージャーは、プロジェクト全体を通じて関係者と協力する必要がある。知見が無い領域については専門家の協力を得ること。
- プロジェクトマネージャーは、スコープと時間 (または予算) を変更できない場合、予算 (または時間) を削減する要求を受け入れるべきではない。
- 計画重視で管理を行う。計画が完了しないまま作業にとりかかってはならない。目の前の火消しに追われることがないようにする。
- 常に計画、実行、確認、実行のサイクルに従う。
- すべての変更は、変更管理プロセスを通じて処理を行う。作業を開始する前に、適切な承認を求め、変更を文書化する。
- 実行の前に、必ず当初の計画に立ち戻る。必要な手続きを踏み、各種資料の記録・更新を怠らない。
- 交渉の際にはwin-win の結果 (問題解決) へ導くよう心掛ける。
- グローバル案件では異なる文化を尊重する。差別は絶対に容認しない。
PMIイズムを頭にインプットしておけば、問題文をざっと読むだけでも、「あ、これは無いな」とか「これが正解っぽいな」とピンとくることが結構出てきます。
たくさん勉強しているのになかなかスコアが伸びない方は、ぜひPMIイズムの習得に取り組んでみてください。
また、PMIイズムの理解を深めたいなら、下記のコースがお勧めです。重点項目であるアジャイルの強化だけでなく、PMIイズムの理解が問われるシチュエーション問題が豊富に盛り込まれています。
↓コース検索はこちらから。人気のオンラインコースが最大85%OFF
料金:¥6,000
新試験内容・アジャイル強化として人気のコースです。
強化ポイント:
- アジャイル
- PMIイズム
- シチュエーション問題対応
まとめ
以上、私の実体験に基づいて、効率的にPMPに合格するための学習方法をご紹介しました。
ご自身に合った学習スタイルを模索する上でのご参考となれば幸いです!
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